【連載コラム】 
取引先のQMS運営状況の監査について考える


第1回 取引先のQMS運営状況の監査について考える

(2015年1月29日)


航空機産業の急膨張に伴って、すでに航空機産業に参入している企業の仕事量の増大とともに従事者数も増加しております。このような仕事の繁忙の中で、生産量、納期と品質のはざまで品質確認あるいは記録がおろそかになるケースが増えてきているようです。

 その結果は、それが当たり前の如く慢性化し、検査しても記録せず、そのうち検査では付加価値を生まないとして検査飛ばしまで発生してしまう。これらの行為がコンプライアンス違反とも思わなくなります。最悪は、記録(データ)を改ざんするというところまで行きついてしまいます。

 一方、発注する側にとって、代替の新たな取引先を選定することは、日本の航空機産業では困難な状況です。また、発注側も自社の業務多忙にあり、取引先を監査し、それに基づいて指導を行うことには限界があります。

 このような状況打破していく方法は
@内部監査を活用して問題を顕在化し、改善処置を行う。
A外部第三者の監査、支援を得る方法があります。

 次回は、@内部監査の活用について、次々回はA外部第三者の監査支援を得る方法について解説します。

文責:門間 清秀


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第2回 連載コラム内部監査の活用について

(2015年2月10日)


本来、内部監査は経営者に代わって運用状況を監査することであり、不適合事項を抽出して改善することが目的です。しかし、これを適切に運用している企業はなかなかないようです。 これは、一つには日本の社会風土にあります。

 理由は、終身雇用制度から内部監査は、仲間の実施していることの不適切さ、不備、欠点等を不適合(本来は、システムの不適合等ですが)として指摘することに躊躇します。
不適合事項が重大(Major)であれば、あるほど躊躇します。私も少し理解できます。従って、残念ながら数十人の小企業では、内部監査機能は発揮しにくいのです。機能を果たさせるには、内部監査に対する経営者の姿勢次第ですね。

 大企業ではどうでしょうか。
小企業と同じ面もありますが、航空・宇宙製品が大半(売り上げの80%以上)では、近年の大きなコンプライアンス違反事案の対策として、昨年、SJAC9068“強固なQMS構築のためのJISQ9100の補足事項”が発行されたこともあり、内部監査が強化されつつあります。

 例えば、係長、主任はJISQ9100の内部監査員養成セミナーを受けることを義務付けている企業もあります。内部監査をする目的だけではありません。
セミナーを通して管理者として、法令、顧客要求事項、規定、手順書の遵守(コンプライアンス)の重要性を理解するのに役立てるためです。

 また、スタッフ全員(200人以上)に10〜20人単位で全員にJISQ9100要求事項解説セミナーを受講させている企業様もおられます。内容もさることながら、品質、コンプライアンス遵守の企業風土づくりに活用しています。

文責:門間 清秀

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第3回 コンプライアンス対応の内部監査:外部第三者監査、支援を活用する方法

(2015年3月2日)


コンプライアンス違反に関する事案について、内部監査では限界があります。それは、小企業では監査員が、事案等に少なからず関係していることが多いからです。大企業においても、業務に精通し、内部監査又は取引先監査(第二者監査)で豊富な経験がなければ、適切な監査(指摘事項の抽出と是正処置計画)が困難なことも事実です。

 その代替となるのが、外部監査です。

外部監査とは、認証機関、官公庁、弁護士、あるいはコンサルタントによる監査です。しかし、認証機関による監査はQMS監査が主体です。また、改善案、是正処置についての具体的支援は禁止です。また、1日,2日の監査では現実の実態が判明できず、根本原因までは入り込めません。

 官公庁の監査が入るような事案に対して、官公庁に支援を受けることは論外です。そうすると弁護士による監査も一案です。弁護士による監査は、基本的には事案が「法」触れたか否かが焦点になります。「法」を基準としたコンプライアンス遵守の状況を監査することになります。一案ですが、航空宇宙分野、対象製品といった監査対象になじみがないのが弱みです。
 最後は、その業界に精通したコンサルタントですね。これについては、省略します。

最良な監査は、やはり何とか内部監査を活用することです。それは、社内で数多くの内部監査を経験し、社内業務をほぼ把握している内部監査員、例えば、本社、他工場の監査員を活用することです。私は、そのような内部監査の支援に立ち会う機会を得ました。社内監査員ならではの細部、核心に触れた指摘(不適合)が数件検出されました。当然ながら、その指摘事項の原因と是正処置についても、被監査側と実りある討議がされ、有意義な内部監査であることを確認しました。皆さんもトライしてみてはいかがでしょうか。

文責:門間 清秀

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