製造業では,設計,製造及び検査業務は,“製品実現の中核をなすプロセス”ですね。
そして,設計,製造及び検査の位置づけは,国に例えれば,
設計=国会(立法府),製造=内閣(行政府),検査=最高裁(司法府)の三権分立の形態です。
注意:検査と記載し,品質保証,品質管理と記載していないことに注意してください。

設計,製造,検査業務において,設計者は製品を図面の形態で創作し,製造作業者は図面を製品の形に具現化し,検査員は? 実は,検査では付加価値を生み出していないし,“品質”をも造りこんでいないのです。

当時社内に“品質は,検査からは生まれない”との標語がありピッタリですね。他部門から“いいな!!品質管理部は,製造部で加工した部品,製品にケチをつけていればよいのだから!!”との発言は,“他の部門の人達は,品質管理部をそのような目で見ているのだな”とショックでした。この付加価値を上げていない業務だから品質管理部の地位も低いのだなと感じました。(実は,米国航空宇宙産業では,品質管理部門の位置づけは低くないのです。)

注意:1960年代に品質管理部という名称の部門は,日本にはほとんどなく,航空機業界だけが品質管理部が
設立されていました。それは米国の戦闘機等のライセンス生産をしており,米国のやり方を全くその通りに
採用していたからです。

 

このような状況で,私として,品質保証業務をどのような位置づけでやっていこうかと思案しました。その対処は,
(1)上流工程(設計部門,製造部門)で困っている事項を積極的に対応しよう。
(2)理論武装しよう。
(3)品質管理の基本を実践しよう。

この三点です。これによって,品質保証業務の位置づけ及び自分をアップしようとしました。

  1. 上流工程での間違いは,下流では修復が困難なのです。そのことを30歳で切実に経験しました。
    一般民需品でのクレームです。原因は,設計者が開発製品図面を描き,開発製品を設計者が自分で評価し,開発納期のみならず量産納期管理をもやっていたのです。(三権分立体制でない)この業務の困難さを近くで経験しました。多量のリコールで,そのプロジェクトは消滅。設計部門と取り組んだ事例については,次回メルマガで述べます。
  2. 理論武装。それは,品質保証(検査)業務は「司法府」に相当する業務なので,商法等を少しかじりました。規格,基準を理解して業務を遂行することです。また,関係者に説明するときは,論理的に説明することに心掛けましたし,現在,社員にも求めています。
  3. 品質管理の基本。統計手法の活用とその考え方です。幸い,会社が田口玄一先生の“実験計画”の講義を半年にわたり受講させてくれました。これは,統計手法を駆使しなければなりません。受講後,会社の土曜講座で講師を命じられました。よい経験でした。

最後に:品質管理 プロが足りない 日本のものづくりに影 有効求人倍率,44年ぶり高さ
(1月31日 日本経済新聞)

今が,品質保証業務に携わる皆さんにとって,組織改革ができる最高のチャンスです。 以上