一昨日(3月2日)関東経済産業局主催の「航空機産業セミナー」にて、「Nadcap認証取得に向けた準備と対応」について講師を務めてきました。
セミナーのプレゼンテーション資料を作成するため認証データを整理してみました。すると、日本におけるNadcap認証取得数(=事業所数とScope数の累計)は約300件で、大企業が約70%で30%が中小企業です。驚いたのは、これらの中で、新規企業のNadcap認証取得数は、ほぼ0件です。

理由は、簡単明瞭でした。Nadcap認証取得には、

1.AS/EN/JISQ9100認証取得していなければならない他に、
2.顧客(プライムである顧客)製品によってNadcap審査を受けなければならない。また、
3.には、1を取得しても新規サプライヤへ作業移管の場合、顧客(プライムでない顧客)は、新規サプライヤに
発注する旨の申請をプライムにし、承認を得る必要があります。その上での新規サプライヤにプライムの図面、
スペックを貸与して試作的に実施させて、Nadcap認証審査に入れなければならない等の制約があるからです。

これらの動きが最近変化してきました。新規中小企業のNadcap認証取得の具体的な問い合わせ、支援依頼が多数当社に寄せられてきたからです。

大企業は、
航空機の増産に対応して、既存工場での生産増強、

組織内他事業所への展開、そして

既存協力先への業務移管段階から、ようやく

新規参入中小企業への展開段階に入ったとの結論を得ました。

大企業の行動は、ビジネス的側面から考えると当然なことです。ビジネスリスク(品質、納期)軽減面から考えても、
自工場→自社他工場→既存サプライヤ→新規サプライヤの順でリスクは高まります
(作業移管のリスク:一般論です。もっとも技術的リスクの高いものは自社で製造しますが)。

また、自社従業員の雇用、売上げ・利益の増大の面から考えても、このステップの行動は企業として必然的なわけです。

次回は、さらに具体的なNadcap認証取得に関する動きを解説したいと思います。
その内容は、一貫生産、産業クラスター、セカンドソース(BCP事業継続計画)と関係しています。