改正されたISO 9001に新たに全面的に採りいれられたポイントは、“リスクベースの考え方”です。

 AS/EN/JISQ9100要求事項の中では、
7.1.2リスクマネジメント、
8.1一般 統計的手法としての“故障モード、影響/致命度解析(FMECA)、
8.4データの分析 c)予防処置の機会を得ることを含む・・・、
8.5.3予防処置
注記 予防処置の機会の例には、リスクマネジメント、エラープルーフ、故障モード影響解析(FMEA)及び外部情報源からの報告される製品問題に関する情報・・・
など製品に直接に関するリスクを主体とした要求事項であると理解しています。

 それを裏付けるものとして、AS/EN/JISQ9100の
3.1リスク(risk)の定義は、
“発生確率と起こり得る好ましくない結果との組み合わせをもつ望ましくない状態と状況”としており、
3.2特別要求事項の定義についても、
リスクマネジメントと関連して、“特別要求事項の例として、顧客によって課せられた産業界の能力の限界にある
性能要求事項、又は組織が自らの技術若しくはプロセス能力の限界にあると判定した要求事項が含まれる”
と規定しています。製品の開発・設計、製造等におけるリスクと読み取れますね。

上記のことから言えることは、航空宇宙防衛産業界を対象としたAS/EN/JISQ9100要求事項では、リスクベースの考え方は“製品品質確保のためには、設計・開発、及び工程設計段階での活動の重要性”をISO 9001:2008に追加して要求してきたといえます。ただし、“製品”中心です。

ISO 9001:2015での“リスクベースの考え”は、特に“製品”に主体としているわけではなく、全体として“事業継続のリスク”を念頭に置き、“品質マネジメントシステムに及ぼす影響”について要求していると理解する必要があります。