ISO 9001:2015で求めている“リスクベースの考え方”は、製品だけではないことを第1回で解説しました。
規格ISO 9001:2015「QMS-要求事項の解説 主な改正点e)リスク及び機会の取組み」では、“・・・・ここでいう
リスクとは不確さの影響であり、例えば、事業環境の変化、設備の異常など、発生するかしないかは未確定である現象が、QMSに及ぼす影響である。
一方、機会とは、目的を達成するのによい状況・時期である。例えば、規制緩和による市場の拡大、設備更新など、取り組めば目的達成に近づく状況・時期を意味する。”ことと解説しています。非常にわかりやすい事例です。

さらに続けて、“この要求事項の強化は、QMSの計画を十分検討せず、不適合が発生すれば再発防止を行なえばよいといった考え方をしてきた組織に対して、計画機能の充実を求めたものである。”と追加説明しています。

リスクベースの考え方は、不適合発生後の物品処理と是正処置といった後追活動よりも、予防に重点を置いてQMSを推進することを求めた改正といえます。それがQMS、EMS環境マネジメントシステム、労働安全衛生システム等のシステム規格全体わたり採用したのです。

当然ながら、予防としてのリスクベースの考え方での推進は、経営層を含めた事業計画をベースとした活動でなければ意味がありません。また、計画、実施、評価、改善のP-D-C-Aの管理サイクルをまわして取り組むべき事項です。

次回は、“事業継続のリスク”と外部環境について解説します。