ISO9001:2015 箇条4.1「組織及びその状況の理解」の中で、“組織は、組織の目的及び戦略的な方向性に関連し、かつ、そのQMSの意図した結果を達成する組織の能力に影響を与える、外部及び内部の課題を明確にしなければならない。”と規定しています。

今回は、この“組織の能力に影響を与える外部の課題”を明確にするには、どのような活動が必要かを検討してみます。
では、このヒントに、“注記2 外部の状況の理解には、国際、国内、地方又は地域を問わず、法令、技術、競争、市場、文化、社会及び経済の環境から生じる課題を検討することによって容易になり得る。”があります。

“何だ! 規格の要求事項の一部を書いているだけではないか!”と叱られそうです。まずは規格の要求事項を確認して、次に進みましょう。基本的に、規格は「方法論(どのような方法で課題を明確にするかの方法)」は規定しないのです。

その一つの方法として「産業クラスター」のメンバーになり、外部情報を獲得することです。
大企業は、注記2のような外部情報を常時監視・分析し、経営に反映している専門の企画部門があります。しかし、中小企業となるとそのようなわけにはいきません。

中小企業にとって、自社が属する「産業クラスター」のメンバーになれば、同じ産業界の顧客、競争同業者、政府・地方自治体、大学、金融機関等々が参加する①技術研究会、②シンポジウム、③講演会、④国内外展示会、⑤商談マッチング等々を通して、政府・地方自治体のサポートのもと開催されます。自然と外部環境に関する情報が入ります。その中には、各種補助事業の紹介もあります。

まずは、積極的に自社の属する産業界とその地域で、「産業クラスター」に参加し、その情報を収集・分析し、自社としてどのように進むべきかを「内部環境」つまり、自社の「強み」、「弱み」を検討し、経営戦略としてまとめ経営方針、品質方針に結び付けることです。