1.内部環境の分析
内部環境分析は、外部環境の変化に対応して組織(内部)の環境要因をどのようにマッチさせていくかのことで、要因を「強み」と「弱み」に分けて分析する。
具体的には、組織が属する業界において、商品のブランド、技術力(設計、製造)、コスト競争力、もちろん財務、人材等について競合他社との比較し、その優劣を分析する(組織の4Mについて強弱を分析してもよい)。
また、これらの分析とは異なるが、組織の社会に対する存在意義と組織の価値観(通常、経営理念等に示されている)に基づく行動指針等を明確にする。

2.SWOT分析
外部環境と内部環境とを理解して、組織の経営戦略の策定又はリフレッシュしていくこととなる。これらの分析手法としてSWOT分析がある。詳細については、それらの文献に委ねることとして、概要を下記に紹介する。
SWOTとは、Strengths(強い) Weaknesses(弱い) Opportunities(機会) Threats(脅威)
のことを指し、組織の業界の外部要因と内部要因の組み合わせで、組織の経営(事業)戦略を決定していく手法である。

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3.課題の設定とリスク軽減策
SWOT分析から事業戦略を決定し、課題の設定とリスク軽減策の策定と実行を行う。
① 強みを活かして、機会を勝ち取るにはどのような課題があり、それを解決する
② 機会を逃さないための他社との差別化の課題を明確にして、解決する
③ 弱みを補強して機会をつかむための課題と対応策を明確にして解決する
④ 弱みから最悪のシナリオ(倒産等)を避けるための方策を実行する

なお、規格では「品質マネジメントシステムの意図した結果を達成する能力に影響を与える、外部及び内部の課題を明確にすること」を求めている。
したがって、事業戦略の一部として、該当する事業の品質マネジメントシステムに関連する外部環境(要因)と内部環境(要因)に焦点を当ててSWOP分析を行って課題を明確にすることでよい。

航空産業でいえば、世界的には東南アジアの新興国の経済成長とともに民間航空機の需要が年5%の成長が見込まれている。日本政府は、航空宇宙産業を国家プロジェクトに育成すべく、その中核として中部地域を「アジアNo.1航空宇宙産業クラスター特区」に指定してきた。これはまさしく、外部環境の変化である。

これに伴って既存企業のみならず、新規参入を目指して多くの組織(企業)、大学、研究機関が活動を加速させている。現在まで1次供給者(サプライヤ)がプライムとなり、Tier 2メーカがTier 1を目指し、海外との直接取引対応、一貫生産体制構築等といった航空機産業を取り巻く外部環境(要因)は、大きく変わってきている。

また、品質マネジメントシステムに関する顧客の要求というより、航空宇宙業界の要求として、JISQ9100認証取得、特殊工程へNadcap認証取得の要求は、外部要因の変化の一つである。海外との直接取引対応、一貫生産体制構築等に対応する品質マネジメントシステムはどのように構築していくかはまさしく、組織の課題であり、解決を求められることである。

この航空宇宙産業における発展の機会(Opportunities)に、組織としての内部要因を分析して、強い分野あるいはプロセスはさらに強く、弱い分野は補強していくことが、この章での求めていることである。