日本の各地域において、航空機に関する様々なプロジェクトがクラスターを形成して活動していることを第1回にてお話ししました。一方、「のこぎり生産」から「一貫生産」という名の生産活動への転換も進んでいることは事実です。

この「のこぎり生産」とは、大企業(プライム)が多くのtier1、tier2サプライヤ(協力会社)を抱え、プライムが素材を調達し、それをある協力会社に支給して機械加工を行わせ、納入された後にプライムが検査し、その後に放電加工、あるいは溶接作業のために他の協力会社に運搬して、納入された後にプライムがまた検査して部品を完成していく生産方式です。
生産コストがプライムに比べて安い協力会社を活用する商取引(外注加工と言われてきました)の一環で、生産活動が行われてきました。

しかし、この生産方式は、プライムにとって多くの協力会社を管理するため、間接費負担の増大をきたしました。また、787,737,777X,防衛省プロジェクト等の業務多忙につき、多くの協力会社を指導することができなくなってきたという事情もあります。

プライムはこの解決策として、主要な外注加工業者(tier1協力会社)に素材調達から機械加工はもちろん熱処理、表面処理等の特殊工程を任せて、完成部品の状態で納入をする生産体制に転換したのです。一方、プライムは品質確保の観点から、JISQ9100及びNadcap認証取得をtier1協力会社はもちろん、tier2協力会社に対して強く求めています。

上記の一貫生産活動だけを見れば、プライムがSCM(サプライヤ・チェーン・マネジメント)の組み換えだけですので、クラスター活動とは異なると思います。もちろん、クラスターの正確な定義に合わなくとも、「特定の分野における関連企業、専門性の高い供給者、サービス提供者、関連業界に属する企業(大学や業界団体、自治体など)が地理的に集中し、競合しつつ同時に協力している状態」の定義に50%以上であれば、特に云々する必要性はないでしょう。

ネットワークをつないでイノベーション創出、新産業を生み出す活動を行っているのは、新潟県を中心とする「NIIGATA SKY PROJECT」でしょうか。現在まで、航空機産業に全く依存していない関係者、企業が「無人飛行機システムの開発」に向けて、活動しているのですから。もちろん「NIIGATA SKY PROJECT」の他にも活動している地域はあると思います。

次回は、経済産業省の「産業クラスター政策」の観点から、航空宇宙産業クラスターの中の製造業の現在を見てみたいと思います。