第5回にてNadcap認証の対象は、顧客又は自社の製品仕様書、又は図面、もしくは品質管理仕様書、品質マニュアル、細部規定等から呼び出されるか、引用される熱処理、化学処理等のスペックに「当社の品質保証部あるいはMCL(Material Control Laboratory)の承認を得なければならない」とされている工程がNadcap認証の対象と解説しました。

一方、Nadcap認証の対象としなくてもよい製品の工程あるいは、対象とならない工程はどのような工程かを簡潔に事例で説明します。ただし、一般論であり絶対的なことではないことに留意してください。

(1)航空機、宇宙機器等に搭載されない治具類(教育訓練用、実用試験用の供試体は対象です)。
理由:地上での使用であり、厳格な工程管理要求がなされていない製品が多いからです。

(2)熱処理、化学処理、非破壊検査等の工程を仕様書、図面等に処理を呼び出していても、それらの処理仕様書(Process Specification)を明記していない工程。
理由:特殊工程としての認証審査基準が明確でないので、Nadcap審査で工程の適合性を判定
できないからです。

(3)顧客がNadcap認証取得を要求していない場合
理由:顧客の都合。例えば、Process Specification要求事項の技術流出の懸念、あるいは認証取得を要求することによって、プライムとしての新たな管理業務負担が増加する等が考えられます。

それでは、顧客の要求がない場合、Nadcap認証を受けることができないかというとそうではありません。その場合、対象製品を自ら設定(図面化)し、それに基づいて製品を製造し、特殊工程の処理仕様書(Process Specification)を定めることにより、Nadcap認証を受けることができます。

この場合、処理仕様書(Process Specification)は、AMS,AWS,ASTM等の公共規格を採用している場合が多いです。