1.型式承認と仕様承認
航空機の装備品及び部品については、耐空性・安全性について十分保証されたものでなければ使用することができません。

1個あるいは2個を製作する場合には、その都度国土交通省航空局検査官の検査を受けてもよいのですが、多数個の場合には、全個にわたって検査を受けることは困難です。そこで装備品、部品の型式承認又は仕様承認を取得することにより航空局検査官の検査を簡略化できます。

型式承認とは、耐空性に重大な影響を及ぼす装備品で、予備品証明対象部品及び特定救急用具(落下傘、救命ボート等)がこの対象となります。これらの部品は、航空局検査官の検査を受けた部品だけが航空機に装備できます。
仕様承認とは、型式承認以外の耐空性に影響を及ぼす装備品と部品がこの対象となります。仕様承認部品は直ちに航空機に装備できます。

 

2.事業場認定制度と業務能力の区分
事業場(航空機又は装備品を設計、製造、整備、修理、改造するための工場を意味する)の認定制度とは、航空局検査官が行うことになっている各種の検査について、定められた基準以上の能力を有する事業場が航空局検査官に代わって検査する制度です。
下記7つの業務能力の区分について認定の制度が設けられています。

(1)航空機設計検査認定:航空機の設計及び設計後の検査の能力
(2)航空機製造検査認定:航空機の製造及び完成後の検査の能力
(3)航空機整備検査認定:航空機の整備及び整備後の検査の能力
(4)航空機整備改造認定:航空機の整備又は改造の能力
(5)装備品設計検査認定:装備品の設計及び設計後の検査の能力
(6)装備品製造検査認定:装備品の製造及び完成後の検査の能力
(7)装備品修理改造認定:装備品の修理又は改造の能力

ここで、例として(6)装備品製造検査認定について、その概要を概説します。

わが国に型式証明を受けた航空機の装備品等及び型式承認等を受けた装備品等について、国内の製造者(装備品等の設計者又は設計者から製造について同意を受けている者であって、当該装備品等の最終組立を行う者に限る)が、製造及び国の認定検査に相当する能力を保持している場合、装備品製造者が事業場の認定を取得することができます。そして、予備品証明と同じ効力をもつ「装備品基準適合証」を発行できます。

事業場が航空局から「事業場認定」を取得するには、「技術上の基準」を満たすことが必要です。
技術上の基準については、航空法施行規則において定められています(後に掲載)。

次に、細部事項を定めた国土交通省令である「航空法施行規則」について示すとともに、その認定の対象となる「業務の範囲」について概説します。

航空法施行規則  第2節 事業場の認定

下記は、航空法施行規則の抜粋です。

第33条 業務の範囲及び限定

1 業務の範囲

自社の「業務の能力の区分」と「業務の範囲」はどれなのかを精査して、「事業場の認定」の対象となるか否かを判断します。しかし、「業務の範囲」である15 主要構成部品に係る業務16 その他国土交通大臣が告示で指定する装備品に係る業務については、注意を必要とします。

例えば、サーキュラー1-004「型式承認対象部品」及び「仕様対象部品」も対象となります

 

2 業務の限定

「業務の範囲」の中でもさらに、業務の範囲を限定することができます。  下記の上段は、航空機への業務範囲の限定で、下段は装備品への業務範囲の限定です。

第34条 認定の申請
事業場ごとに、事業場認定申請書に、当該事業場が次条の「技術上の基準」に適合することを説明する書類を添えて、国土交通大臣に提出しなければならない。

第35条 認定の基準  技術上の基準はつぎのとおり

1 次に掲げる施設を有すること

  • イ 認定業務に必要な設備
  • ロ 認定に必要な面積並びに温度及び湿度の調整設備、照明設備その他の設備を有する作業場
  • ハ 認定業務に必要な材料、部品、装備品を適切に保管するための施設

2 業務を実施する組織が認定業務を適切に分担できるものであり、かつ、それぞれの権限及び責任が明確にされたものであること

 

3 前号の各組織ごとに認定業務を適確に実施することができる能力を有する人員が適切に配置されていること

 

4 認定の区分に応じ、航空法規及び第6号の品質管理制度の運用に関する教育及び訓練を修了した者であって下表に掲げる要件を備えたもの又は国土交通大臣がこれと同等以上の能力を有すると認めた者が、「確認主任者」として選任されていること 下表:省略

 

5 作業の実施方法(次の6号の品質管理制度に係るものを除く)が認定業務の適確な実施のために適切なものであること

 

6 次の制度を含む品質管理制度が認定業務の適確な実施のために適切なものであること

  • イ 施設の維持管理に関する制度
  • ロ 人員の教育及び訓練に関する制度
  • ハ 前号(上記5)の作業の実施方法の改訂に関する制度
  • ニ 技術資料の入手、管理及び運用に関する制度
  • ホ 材料、部品、装備品等の管理に関する制度
  • へ 材料、部品、装備品等の領収検査並びに航空機又は装備品の受領検査、中間検査及び完成検査に関する制度
  • ト 工程管理に関する制度
  • チ 業務を委託する場合における受託者による当該業務の遂行の管理に関する制度
  • リ 業務の記録の管理に関する制度
  • ヌ 業務の実施組織から独立した組織が行う監査に関する制度
  • ル 法第20条第1条第1号又は第5号に係る認定業務にあっては、設計書その他「設計書類」の管理及び当該書類の検査に関する制度
    (注記:第1号とは、 航空機の設計及び設計後の検査の能力   第5号とは、 装備品の設計及び設計後の検査の能力 のこと)
  • ヲ 法第20条第1条第1号又は第5号に係る認定業務にあっては、供試体の管理及び品質維持をの
    図るために行う検査に関する制度

7 認定業務にあっては、検査が規定された検査の実施方法により行われること 詳細は省略

 

8 事業場の運営に責任を有する者の権限及び責任において、次に掲げる事項により適切に定められたとおり、及び当該文書に記載されたところに従い認定業務が実施されるものであること

  • イ 航空機及び装備品の安全を確保するための業務の運営の方針に関する事項
  • ロ 航空機及び装備品の安全を確保するための業務の実施及びその管理の体制に関する事項
  • ハ 航空機及び装備品の安全を確保するための業務の実施及びその管理の方法に関する事項