「一貫生産」を受注する委託先(受託)企業に求められる9つの機能(品質マネジメントシステムにおける製品実現プロセス)の個々の機能の内、今回は4つ目の「内外仕訳機能」の解説をする。

「一貫生産」を文字どおりの意味で捉えると、第1回の図で示した様に委託先企業は“委託された全工程の作業”を社内で実施することを意味するが、現実的ではない。現実的には、社内では自社の強みである、従来からの加工工程に専念し、残りは社外に委託(外注加工)することになる。この様に委託を受けた製品の全工程を分解し、社内加工(Make)と社外加工(Buy)に仕訳する機能が「内外仕訳(Make/Buy)機能」である。

この機能は、戦略的な観点から計画して運用する必要がある。従来社内加工としていた加工工程は勿論のこと、生き残りのため自社の将来のあるべき姿を考えた上で、社内加工として新たな加工工程を加えることも「一貫生産」を担う委託先企業の成功への鍵となる。
元々、「工程別生産」の委託先企業が「一貫生産」の委託先企業(取りまとめ企業)への変身を考えること自体が戦略的ではあるが、実質的に社内で行える加工工程を追加する、社内外仕訳の基本を設定することはトップ自らが最終決断すべき事項である。

航空機産業においては、委託元である顧客にから「一貫生産」を引き受ける際、契約時にある工程を社内加工として受注した場合には、事前の了解無しで、途中でその工程を社外加工にはできないという制約が付けられることや引合い時の提案書に“内外仕訳計画(Make/Buy Plan)”の提出が求められるのが一般的である。

「内外仕訳機能」は「契約・受注機能」、「工程設計機能」及び「購買機能」と密接な関連を保って計画・運用する必要がある。顧客からの引合いの段階では、見積もり作成や提案書まとめ、また受注後においても顧客要求事項の最終確認としての「契約・受注機能」との、個別製品の工程設計の検討・設定としての「工程設計機能」との、更には、社外加工先の決定及び発注業務としての「購買機能」との連動が求められる。

また「内外仕訳機能」は、以上述べた様に一つの製品(部品)内で加工工程別に社内外仕訳する場合と製品(部品)単位に社内外仕訳する場合が考えられる。一般的に後者のケースは、委託先が「一貫生産」企業として本来社内加工すべき加工工程まで社外加工することになり、「一貫生産」の趣旨に反する。しかしながら、何らかの理由によって社内加工工程の負荷がオーバーする場合には、緊急避難処置として許される。

次回(7回)においては、「購買機能」に関して解説する。