「一貫生産」を受注する委託先(受託)企業に求められる9つの機能(品質マネジメントシステムにおける製品実現プロセス)の内、今回は最後の9つ目の「日程管理機能」の解説をする。

生産管理の3要素、QCD(Quality、Cost、Delivery)は、どの業種及び業態においても基本中の基本事項であることは言うまでもない。
ISO9001要求事項では、この生産管理の3要素のQ以外に関する直接の要求事項は無いことを認識しておられる多くの読者諸兄にとっては、「一貫生産」を構成する機能の解説の本稿において、わざわざ最後の9つ目の機能として「日程管理機能」を記述することに違和感を覚えることと思う。

JISQ9100:2009では、顧客重視(5.2項)及び顧客満足(8.2.1項)の条項において、“製品要求事項の適合性(製品品質、すなわちQuality)に加え、納期どおりの引渡し(Delivery)に関するパフォーマンスを監視・測定し、かつこの納期に関して特定された課題があれば、修正処置及び/または是正処置を取らなければならい”と規定されている。

この様に航空宇宙産業におけるQMS要求事項では、QDに関する監視・測定及び改善が明確に要求されたため、「日程管理機能」が他業種以上に重要な機能となった。これが「日程管理機能」を9つ目の機能とした理由である。従って、航空宇宙産業の「一貫生産」を受注する委託先の企業は自社のQMSに、この「日程管理機能」を強く意識して組み込むことが欠かせない。

「日程管理機能」は、今まで解説して来た全ての8つ機能と関係性を持たせる必要がある。 なぜならば、8つの機能で“日程”を持たない機能は皆無だからである(下図参照)。
特に、日程管理する上で、「不適合処理機能」との関連性の確保を忘れてはならない。不適合処理途上にあるアイテムの進捗状況、例えば、製造担当部門が是正処置を検討中なのか、あるいは、保留中で顧客の設計部門が検討中なのか等“見える化”が出来るようにしなければならない。
さもなければ、不適合製品の進捗状況が“見えなく”製品(部品)の納期遅れにつながる。

日程管理でもう一件指摘しておきたい事項は、日々の精度の高い日程計画の立案及び実態監視による必要な即時の日程計画の調整・修正である。このためには、製造現場及び外注工場の能力・余力の常時の把握、計画へのフィードバックの仕組みの構築が欠かせない。

他の機能との関連性に関しては、一般的な“生産管理”の話になるので、他者の解説に譲りたい。

次回(12回)においては、本稿の最終回としての「まとめ」を記載したい。