神戸製鋼所は「当社グループにおける不適切行為に関する報告書」を3月6日に公開しました。

直接的原因の第1に採り上げたのが,「工程能力に見合わない顧客仕様に基づいた製品を受注・製造」です。多くの不正事案は,自社の製造能力を満たさない製品を受注したときなのです。

JIS Q 9100規格箇条8.2.2「製品に関する要求事項の明確化」d)では,“運用リスク(例えば,新技術,製造能力及び生産能力,短納期)が特定されている”ことを要求しています。この中で,製造能力(Capability)が不十分な状況で受注することにより起こる不適切行為なのです。

一方,箇条8.2.3「製品に関する要求事項のレビュー」8.2.3.1では“このレビューは,組織の該当する機能と調整しなければならない。レビューにおいて,顧客要求事項が満たされない場合又は部分的にしか満たされないということを組織が判定する場合,組織は,相互に受入れ可能な要求事項を顧客と交渉しなければならない」と要求されています。
私は,この箇条は,JIS Q 9100規格として“画期的な要求事項”と思っております。引き合い,契約段階で運用リスクを抽出し,自社内で軽減処置をとれるか否か,採れなければ受注しないか,顧客と調整するということによって解決するかです。

顧客要求事項を満たさずに,検査データの改ざんによって納入した製品について,顧客である発注側が,納入された製品の使用可否を技術検討した結果は,“ほとんど問題なかった”との結果があります。不適切行為(検査データの改ざん)を防止するため,引き合い,契約段階で「リスク分析」を徹底して実施することが未然防止として重要であり,ポイントであると思います。

根本原因の第1として採り上げたのは,「収益偏重の経営と不十分な組織体制」とあります。
これについては,“企業経営の風土,QCD(品質・コスト・納期)のCD優先で,Q(品質)軽視である”ことを示しております。これへの対応は,“企業経営風土の改革”に尽きます。企業風土を変えることは,経営陣でなければとてもできないことです。

下記は,日本経済新聞 2017.10.25 不正の芽を摘む「失敗の科学」より 引用
昨年(2016),燃費計画データの改ざんが発覚した〇〇自動車の報告書にはこんな話が出てきます。「不正をした部署は,『無理な目標だ』と上層部に訴えたことが何度かあった。だが,相手にされずに,ある時点で何も主張しなくなった」

「周囲の無理解を利用して外から見えない壁をつくりはじめ,不正の手法をブラックボックス化していく」 中略

「日本の組織は,合理的に失敗に向かう傾向がある」と言う。例えば,□□は原子力を事業から撤退したら「政府からしかられ,従業員の雇用も不安になる」。△△は,「納期やコストを守らないと取引先から契約を打ち切られる」などの懸念を抱いた。

「経営陣,管理職は下に向かって『何とかしろ』と命令を下すが,なんともならないことわかっている部下たちは袋小路に嵌り,不正行為を考え始める。不正が起きても周囲は目をつぶり,何も言わないことがその組織にとっての『合理性になっていく』という。(慶大の菊沢研宗教授)(後略) このようになりたくないものですね。

弊社TFMでは,特別セミナーとして,「模倣品の防止,製品安全,検査データの改ざん防止」セミナーを愛知(6月13日),神戸(6月18日),東京(6月27日)で開催します。

 

次のようなディスカッション(質疑応答)を計画しております。

模倣品関連
① 模倣品は,どのような製品に発生するか
② 模倣品の疑いがあるものをどのように見分けるか
③ 顧客支給品には,どう対処するか
④ 試作品は,模倣品か
⑤ 模倣品と枯渇品の関係
⑥ 枯渇品とは,どのような事象か
⑦ 枯渇品には,どのように対処するか

検査データの改ざん関連
① 検査(品質)証明書と検査データ(検査記録)の違い
② 検査データの改ざん等は,どのような製品に起こっているか
③ ミルシート(材料試験報告書)の受入検証の方法は
④ 顧客支給材料,部品についてはどのようにすればよいか
⑤ 検査データの改ざん,ねつ造は,なぜ起こるのか

 

日程 開催場所
6月13日(水) 愛知開催 ルネックビル7階(JR中央線勝川駅下車徒歩1分)名古屋駅より約18分)
6月18日(月) 神戸開催 神戸国際会館内会議室(JR三ノ宮駅下車、徒歩3分)
6月27日(水) 東京開催 アットビジネスセンター池袋駅前 別館 (池袋駅(東口)より徒歩30秒)

概要

受講料 ¥32,400(税込) 教材込み

 ※ご質問があれば、メールにてご連絡ください。セミナー当日に回答いたします。

セミナーのお申し込みは下記よりお願いします。↓↓↓
http://www.tfmc.co.jp/appli1.html